プレゼンテーションの天才とまでたたえられていたスティーブ・ジョブズ氏。彼がいままでに行ってきたスピーチの数々はすでに多くの人に語り継がれてきています。その中のもっともとも有名なスピーチの1つに、今回ご紹介する2005年にアメリカ、スタンフォード大学の卒業式で行った式辞があります。ジョブズ氏の成功かあら脱落、そして新たにつかんださらなる成功などかれの人生経験を基にこれからの若者に送った餞の言葉はその場にいたすべての人のみならず、世界中の多くの人達の心に響き渡るスピーチでした。今回はこの歴史的なスピーチの内容を段落別にシリーズとしてみていきたいと思います。
スピーチのスクリプトはこちらのURLからどうぞ。
http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html
〜今回のポイント〜
●スピーチのすべてのカギを握るイントロ(序論)の役割を解説●
それでは、本文の方を見ていきましょう。
記事タイトル:’You’ve got to find what you love,’ Jobs says
I am honored to be with you today at your commencement from one of the finest universities in the world. I never graduated from college. Truth be told, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.
まずはイントロダクションからです。彼のプレゼンの素晴らしいところは、この大変分かりやすい文章構成です。英語の文章は良いものであればある程、伝えたい内容がより明確にはっきりと述べられるます。「これからは、私はこの文章のなかでこれとこれとこれを皆さんに伝えます。」といった感じで、はっきりと分かりやすく伝えたい内容を提示してきます。ジョブズ氏のプレゼンテーションも例外ではなく、必ずはじめにまずは「本日のメニュー」といった感じで、スピーチの内容を述べるところから始めます。
これは、TOEICの長文でもよくみられるもので、イントロダクションの段落には必ず文章全体の内容を紹介する文章が含まれます。これを英作文では「thesis statement(主題文)」といい、格段落には段落ごとの主題文の働きをする「topic sentence」 というものあがあります。TOEIC長文の問題で「What is the article mainly about?」という問題がよくでてきますが、この問題が出てきた時の答えのポイントになるのがこの主題文になります。TOEICの長文を素早く読めるひとというのは、言い換えるとこの「主題文」を文章の中から素早く見つけることができる人なのです。
例えば、上の文章であれば次のように段落を分析できます。
−I am honored to be with you today at your commencement from on of the finest universities in the world→スピーチを始める定番の決まり文句
−Truth to be told, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation.→自分の経験を紹介して聞き手の興味を引きつける。
−Today I want to tell you three stories from my life. →スピーチ全体の主題文にあたる文。
このように主題文がはっきり明確に述べられると、聞き手は「これからこの人は何か3つの事について話すのだな」とスピーチの大まかな展望を見ることができます。この「主題文」を常に探す訓練をすると長文のみならず、リスニングのPart3やPart4でも同じように会話やパッセージの中の重要なポイントなる部分を聞き分けることができるようになります。速読力に長けているひとには上の段落がこのように見えています。
I am honored to be with you today at your commencement from one of the finest universities in the world. I never graduated from college. Truth be told, this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.
「なるほど、この文章では3つの話がされのですね→ではその3つを探しますか」といった感じで次の段落に入っていくことができます。そうすると文章を読まなくてもその3つの話がどのようにでてくるかも予想が出来るので、文章が必然的にポイントフォームとして見えてくるのです。
序論→talk about three stories about his life
段落①→first, first of all, to begin with….
段落②→second, next story, secondly….
段落③→ the last story, finally, the third story….
このように、文章構成を大きく4つに分けて、後は上記のようにキーワードをさがして、どこからどこまでが1つ目の話で、次がどこまでで、最後のストーリーがどこから始まるかという区切りを簡単に付けられます。全文の紹介になってしまいますが、ジョブズ氏のスピーチは以下のような構成になっていますね。
Speech is about three stories of his life.
First story is about connecting dot.
Second story is about love.
Third one is about death.
一見なんの特別性のない当たり前のような事をしているだけと思われるかもしませんが、このようにスタートの段階でスピーチをしっかりまとめられるプレゼンターは一体どれぐらいいるでしょうか!? 例えば、卒業式や結婚式などで式辞やスピーチを聞いた時に、「長いなぁ〜」や「いつ終わるんだ・・・」という経験をしたことはないでしょうか?
スピーチのみならず、英作文をするときなどのはこのイントロダクションがもっと重要なポイントになります。はじめの数分や数行でいかに聞き手や読み手を引きつけられるかがポイントになるのです。 これから結婚式や何かの式でスピーチをする予定の方や会社でプレゼンを行うという方は是非参考にしてみてはいかがでしょうか!?
最後に上記文章にでてくるTOEIC頻出表現をピックアップします。
– I am honored to do〜・・・「〜するこはとても光栄な事です」スピーチ等の決まり文句です。
– commencement・・・’ commence(始まる) ‘ の名詞形でこの場合の意味は卒業式となります。始まるなのでなんで卒業式?と思われるかもしれませんが、卒業とは人生の門出ということで、新たな始まりを意味する言葉になっています。なので人生の門出を祝う式=卒業式=commencementとなります。
– one of the 複数形・・・TOEIC頻出のフレーズですね。「one of 〜」ときたらまず必ずくるのが名詞の複数形です。Part 5でもよく後ろを単数形と複数形で選択させる問題が出てきますので惑わされるしっかり複数形を入れましょう。またもう1つ、このかたちの後ろによくるのが今回のような最上級の表現ですね。「数々あるもっとも〜なものの1つ」という表現でよく使われます。
– No big deal・・・訳は「大したことない、どうってことない」という表現で、話し言葉でよく使われます。この ‘ deal ‘ の使い方は辞書や教科書だけでの勉強では「取引、取り決め」という名詞でしか覚えることができないので、会話でよく使われるこの「deal = matter = affair」も是非覚えておいて下さい。
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